今年の所得税確定申告を振り返って

先週15日で令和5年分の所得税確定申告提出・納付期間が終了しました。

政治資金をめぐる問題での国会議員の対応により「確定申告ボイコット」なる動きがX(旧Twitter)で広がりを見せる異様な幕開けとなりました。

今回の確定申告期間を振り返って気づいたことを書いてみたいと思います。

【事務所お知らせ】  

確定申告期間の相談対応

今回の確定申告期間中に従事した相談会は以下のとおりです。

  • 市役所での税務相談
  • 納税協会主催のJAでの確定申告相談
  • 納税協会での税務相談

JAでの確定申告相談は丸1日でしたが、ほかは午後のみでした。

令和5年10月からのインボイス制度導入に伴う質問が多く来るのではと想定したのですがそれほど来なかったです。

そもそも農家だとJA特例でインボイスが不要だったりしますし、一般客を相手に仕事をされているために意識しなくてもいいというところだったのかもしれません。

一方で、消費税の申告については2割特例が終わった後の簡易課税制度の選択と計算方法についての質問をいただきました。

いわゆる原則課税だと自分で消費税がかかる取引かどうかを判断しないといけないためにほとんどの方は簡易課税を選択されているようです。

大きな設備投資や資産購入を考えている方は多くなさそうです。

インボイス制度よりもやっぱり多かったのは所得税の相談ですね。

所得控除の計算方法がいまだに理解できないようです。特に生命保険料控除の計算の仕方がよくわからないと。

手引きにある表を見ながら計算をしていただいたり、e-Taxで入力をすると自動計算ができる旨説明をさせていただきました。

あとは、配偶者控除や扶養控除の誤りは相変わらず多い気がします。

  • 青色事業専従者に給与を支払っているのに配偶者控除や扶養控除を受けている
  • 年齢に達していないのに扶養控除を受けている
  • 別生計なのに受けている(話を聞く限りの判断なので微妙なところ)
  • 所得金額に関係なく配偶者控除を受けている

手引きを確認したり実際にe-Taxの画面で説明させていただくことにしました。

スマホ申告を勧めていたが…

実際相談対応をしていて思ったのは税務署でスマホ申告を導入しようとしているのにもかかわらずできない事例が多発していたことです。

「スマホで申告ができる」と銘打っていましたが申告までの事前準備が大変ですよね。

アプリを入れたり、マイナンバーカードを読み取ったり…。

最寄りの税務署でスマホ申告のマニュアルを作ってくれていたのですがあまり役に立たなかったです(アプリを入れた前提の説明だった)。

終了後のデータ保存場所がわからないとか、データが消えたとかで来年は大変そうな気がします。

個人的にはスマホ申告はパソコンをお持ちでない方がやればいいと思っていて、パソコンで入力をしていった方がはるかに楽だと思います。

無理にスマホでの申告を進めるのではなく、パソコンをお持ちであればそちらで案内させていただきました。

終了後の保存場所をスマホ本体にではなくクラウドで保存するとかすれば機種変更したときでも安心ですのでスマホ申告をするメリットはまだあります。

決算書や収支内訳書の作成がスマホからでもできるようになりましたが、入力箇所が多いですのでできればパソコンで作成された方がいいと思われます。

スマホ申告をする際には申告会場の場で操作するのは困難かもしれませんね。

実際、税務署の窓口は昨年よりも混雑している印象でした。

操作に不慣れな年配の方にスマホ申告を勧めていたりするため操作に時間がかかっていたのかもしれません。

臨機応変な対応が求められるかもしれませんね。

代替わりの相談

個人事業主が高齢になってきており子どもに事業を移すケースが多くなってきたかなと。

代替わりしたばかりの息子さんの記帳指導だったり、専従者である息子に将来跡継ぎをしてもらうというお話をお聞きしました。

すぐにお答えできる状況ではなかったこともありましたので手続き面に説明にとどめましたが、「状況がはっきりした段階で早めに税理士に相談を」とお願いしました。

事業承継という話は過疎化が進むわが地域では今後大きな問題になっていくと思われます。

まとめ

今回は所得税確定申告期間中に特に印象に残ったことについて書いてみました。

これから月末にかけては消費税の申告ですね。

たいてい所得税の申告と一緒に済ませる方が多いですけど、インボイス制度により新たに消費税の申告が必要になった方が多いのその対応に追われるかもしれませんね。

では。

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