「常識」という言葉が好きではない理由

「これはみなさん常識ですから説明を省略します」

よく人から教わるときに常識だからという言葉を使って説明を省略されることってありませんか?

知っていて当然のことだから常識なんでしょうけど、私はなるべくこの言葉は使わないようにしています。

自分にとっての「常識」は他人と同じではない

よく資格試験予備校の講師が時間省略のためにこの言葉を使うことがあります。

特に受験経験者向けの講義ですと、誰もが知っているであろうと思われる常識的な項目は内容をとばします。

もちろんみんな知っているからというのもあるかもしれませんが、ひょっとしたらもうちょっと説明してほしいな、という部分は少なからずあると思います。

あくまで講師目線から見た常識は、受験生にとってはそうではないことが非常に多いと思っています。

常識って何をもっていうのかって人それぞれだと思うのです。

人に教えるときに考えていること

大人数に教えるときは勉強度合いに差がありますので正直難しいです。

「常識だから飛ばします」は軽々しく言わない方がいいと思っています。

誰もが知っていることだと思っていても、コンパクトに説明する・まとめる・さらっと取り上げるくらいはしてあげたほうがきっといいと思うのです。

意外と誰もが常識だと思うところって、いざ実践の場(試験、仕事)で発揮できない・本番で足元をすくわれる・油断しがちなところだと思っています。

常識であればいつでも思い出せる・使いこなせるようになっていなければならないもの。

それを思い出せないのなら常識だなんて言わないほうがいいと思っています。

実際は説明が回りくどい・省略してほしいと思っている方もいらっしゃいます。

その方にも配慮するためにさらっと説明するように心がけています。

普段の言葉からつい「常識」と言ってしまう

常識って日常会話でも出てきますよね。

「あの話題、常識だよね」

「常識クイズ」

常識ってそんなに重たい言葉ではなくなってきていると考えています。

ただ、常識という言葉には正しいか誤っているかという判断は含まれていません。

常識だからといってそれが正しいとは限らないと思っています。

とらえ方は千差万別。

それを常識という言葉で片づけてしまうのはいかがなものかと思うのです。

簿記を教えたときに感じた「常識」

国税専門官の基礎研修中に簿記を教えていた経験があります。

常識なので飛ばしますといって説明を省略したことがあります。

だれでも知っていると思われる論点だから飛ばしたつもりでした。

しかし、試験当日に常識が非常識へと変わります。

誰でも知っている論点が深く掘り下げて出題され対応できない受験生が続出したのです。

常識だから大丈夫だ、と過信しすぎたということです。

こういう話って実社会でもありえます。

常識の裏に何かあるのでは?という考えを持つことも大事かなと。

「常識」って言葉を使うと上から目線に感じる

「そんなの常識だよ!」

この言葉を聞くとなぜかマウントを取られているような、馬鹿にされているような気がしてしまいます。

逆に、

「ほんと?例外はないの?」

などちょっとまがった見方を見てしまう自分がいます。

自分はそうであっても人から見たら必ずしもそうではない。

よく講師が常識だと言っている論点ですが、

「実際、試験会場や現場で説明したり解答したりしてきたんですか?」

と思ってしまうのは私だけでしょうか?

まとめ

今日は、常識という言葉が好きではない理由を書いてみました。

もちろん知っていて当然ということもあるかもしれませんが、意外と再度確認してみたら新たな発見をすることも考えられます。

常識だというのならあえてテキストにのせない・テキストに触れないでいいんじゃないかなと。

仕事でもそうです。

研修で常識だといった内容なら自分たちで読んでもらえればいいわけで、あえて触れなくてもいいんです。

私はあえて省略しなくてさらっとまとめて話したりしてすべてを省略するようなことはしないようにしています。

理解がまだの人向けにも対応するのならまったく見ないのは問題がありますからね。

では。

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