税務調査とは?

8月以降税務署ではそろそろ法人税や所得税の税務調査が始まります。

もしかしたらもう事前に調査予約の連絡が来ているかもしれませんね。

以前にもちょっとずつ税務調査のことは書いてきましたが、今回は改めて一連の税務調査の流れについて書いてみたいと思います。

私が今まで担当していた法人税・消費税・源泉所得税の税務調査(法人税等調査)、個人事業主の所得税調査(個人調査)について、数回に分けて書いてみます。

お付き合いください。

税務調査とは何?

所得税や法人税は、自分たちで税金を計算して申告する「申告納税方式」を取っています。

自分たちで申告するために、計算間違いや法律の適用誤りは当然起こりうることですし、もしかしたら意図的に税金を少なく申告することもあるかもしれません。

税務調査は、法律の規定に沿って正しい納税をしているかを確認するものです。今後発生する税金について正しく計算して納付してほしいという指導という意味も含んでいます。

正しい納税をしてもらうために税務署が行う手続きとして大きく2つあります。

税務調査

税務職員が、質問し調査する権利(質問検査権)を使って納税者宅や会社を訪問あるいは税務署へ出向かせて行うものです。

会社や事業主はこれを受け入れる義務があります。

税務調査には、さらに、強制調査と任意調査があります。

①強制調査
いわゆる「マルサ」という国税局査察部が行うもので、悪質な納税者などの犯則嫌疑者に対して検察官に代わって裁判官の許可を得て現場へ出向き捜索などの調査を行います、強制的な調査です。

②任意調査
普通はこの調査です。あくまで任意ですが、調査を受け入れる義務があります。
①のようなイメージが出てしまってますけどね。

行政指導

事業主や会社に対して、自発的な見直しを求めて文書や電話連絡、来署依頼により申告内容の確認と是正をしてもらうというものです。

強制ではないので必ず対応しなければならないものではありませんが、行政指導を無視したり従わなかったりすると、税務調査に進展してしまう可能性があります。

文書や電話連絡などがあった場合には、必ず回答しましょう。

もしわからない場合は、税務署に連絡するようにしてください。

文書にも、「不明点は問い合わせしてください」と書いてあります。

この行政指導の例として、源泉所得税の納付状況のおたずね、確定申告書の添付もれ資料の要請、確定申告書の計算誤り転記誤り記載もれがある場合の是正 などがあります。

担当職員

税務署で行われる税務調査では、通常、

法人税等調査も個人調査も、調査官1人多くて2人で担当します。

ただし、調査の内容により、例えばIT系や国際税務などになれば専門官と呼ばれる職員も一緒に調査を行います。

税務署ですと、

  • 法人税等調査については、法人課税部門の職員、
  • 個人調査については、個人課税部門の職員、が担当します。

(個人事業主やフリーランスの調査であり、譲渡や相続・贈与は資産課税部門が担当します。)

調査される税目と調査期間

法人税等調査では、基本的に法人税・消費税・源泉所得税・印紙税が調査される項目です。

担当部署により一部の税目だけに特化して調査を行うこともあります。

個人調査では、基本的に所得税・消費税です。

法人税等調査や個人調査どちらとも、調査期間は通常過去3年間ですが、不正があると7年間、無申告が見込まれるものだと5年間など、調査内容により期間が異なります。

この調査される税目と調査期間は、事前に連絡がありますので確認しておきます。

何日間調査するのか

個人調査の場合は、通常1日で終わることが多いです。

調査終了まで1か月から1か月半くらいです。

法人税等調査の場合は、通常2日間会社に出向きます。

調査終了までも長く、1か月で終了することは少なくて長引けば半年以上ということもあります。

調査が来る頻度

個人調査の場合は、開業後3年くらい。その後は10年程度の場合が多いです。

以前の調査内容が不正だったなどの場合には、期間を空けずに調査されることがあります。

法人税等調査の場合は、やはり開業後3年くらい、その後も7~10年程度が多いです。

この場合も、過去の調査内容により3年から5年など期間を空けずに調査されます。

また、法人税等調査の場合、大規模法人になると2~3年に1回調査が入ることもあります。

やはり、過去に意図的に所得隠しをした場合は、期間は空けないようにしていると思います。

またやりかねませんからね。

まとめ

今回は、税務調査の導入部分について書きました。

税務調査についてイメージを持っていただくことで落ち着いて調査を受けていただけると思います。

税理士に全てお願いするという方法もあるかもしれませんが、調査官が会社や事業主宅に訪ねてくるわけです。

やはり怖いですよね。会社に従業員がいたりすると従業員にも不安を与えてしまうことにもなりかねませんし。

次回は、税務調査のスタートから調査が終了するまでの一連の基本的な流れについて書きたいと思います。

基本的に法人税等調査でも個人調査でも変わりません。

では。

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