間に挟まれて苦しんだ話 

税務署に勤務していたころ、人間関係に悩みました。

1年に1度人事異動がありますから、上司や先輩も毎年変わります。

いい上司たちに恵まれることもあればそうでないときもあり、異動直後は常に波長を合わせようと必死だったのを覚えています。

そんな中で一番苦労したのは、上司と先輩の間・上司と納税者の間に挟まって話を聞かなければならないことでした。

上司と先輩との間に挟まれた

ある上司と先輩との間の関係がよくなかったことが原因でした。

その部署は基本的に静かでしたし表面上は仲良くしている雰囲気でしたが、なにかことが起こると険悪なモードに突入です。

上司からは先輩の愚痴を、先輩からは上司の愚痴を聞かされ、こちらもまだ若手でしたので聞くことだけしかありませんでした。

そんな愚痴を聞くと気分は下がりますよね。

上司:○○はほんとに使えない

 

先輩:××さんは仕事の仕方がわかっていない

など、お互いをけなし合うわけです。

こちらはただ聞くだけ。

中立の立場を貫こうと相槌は打つようにしていましたが苦痛で仕方ありませんでした。

周りの部署の職員もその状況は把握しており、

「大変だね」

 

「今日は何が起こったの?」

などと冷やかしに来る方もいらっしゃいました。

実はこういう光景は日常茶飯事なんです。

特に内部部門では女性職員同士のけんか?が各所で勃発します。

私が聞いた話では、女性職員である先輩後輩が仕事中に大喧嘩をして、顔を合わせないよう席替えをしたとか、一言もしゃべらなくなったということがあったそうです。

私は間に立つことが多かったので、双方の嫌なことを聞くことがありどうしたらいいのか分からなくなりました。

別の上司に報告するとかさらに上の幹部に報告するくらいしかできませんでした。

そんなに嫌いならお互いのことを理解しあうために言い合えばいいじゃないかと思うのですが、普段は仲良さげだからまた面倒なんですよね。

その間に挟まれる若手職員もよく見てきました。

上司と納税者との間に挟まれた

税務調査や内部事務で納税者と接することが多い税務署。

税務調査では上司から調査案件の指令をいただき、納税者と接触することになります。

そのさいに、納税者と調査官側で意見が食い違うことが多々あります。

いわゆる「見解の相違」というやつです。

毎回調査終了後は帰署して上司に報告することになっています。

上司としては部下が調べてきた内容について質問を投げかけてきます。

調査が甘ければ再度調べてこいと怒られることもあります。

そして、翌日の調査で再度納税者に確認を行いますが、

納税者からしたら昨日も答えただろうと。

「なぜまた今日も聞いてくるの?」と不審に思うわけです。

調査官である私からしたら完全に板挟み状態です。

もちろん深く確認していなかった私がいけないのですが、上司からやってこいと指示されているけど、納税者の気持ちになるともう聞いてくるなという気持ちも分かります。

双方の気持ちが分かるのでつらいことが多かったです。

そして、内部事務でも同じように電話などで納税者と接する機会があります。

例えば納税者から質問があったとき。

納税者の主張することが複雑であれば内容を聞き取り、上司や審理担当に確認するのが通常です。

上司などが判断した内容が納税者の主張と真逆だった場合、そのことを納税者に話すとなぜなのかと食い下がれるわけです。

理由をご説明しても納得されないとかザラにあります。

そのことを上司などに報告しても真逆であることを説得するように指示されるだけです。

私の存在って何?

伝書バトのような感覚になってしまいます。

もう私を介さずに直接上司たちと納税者で話し合ってほしいと常に思っていました。

たいてい納税者は上司たちと話をしたいと言ってきます。

一職員の回答なんて信用してない、どうせ相談しているのならその人に聞いたほうが早いと思うのは私も同じです。

この「不毛なやり取り」がことごとく嫌でした。

とにかく双方の意見を延々と聞かされ、私が間に立つ。

まだ相談ならいいんですけど、些細なことで納税者との間でトラブルになることがあります。

一番多いのは「言った・言わない」問題。

先日こう聞いたのに言ってたことが違うとクレームを言ってくる納税者の対応です。

誰に相談したかは分からない。

けど別のある職員に聞いたら違うことを言われたと。

よくある話です。

確かに混乱されるのはよくわかります。

しかし、どの職員に尋ねたのかも分からないのでお話をお聞きすることしかありません。

その状況を上司に報告しますが、まあ表に立ってもらえない。

上司もこういうトラブルからは逃げたいのです。

こう言って納税者を説得させろという指示だけ。

収集がつかなくなってようやく上司が登場…。

もう最初からこうなることわかってるやんと。

いきなり上司が出ていくのはおかしいしなめられていると判断しているのでしょうが、はたしてそうなのかと不思議に思っていました。

もめる前に前に出てきたほうがいいと思うのですが。。

まとめ

今日は2パターンの間に挟まれて悩んだ話を書いてみました。

まあ私の能力不足もあります。

相手との交渉の下手さもわかります。

でも組織の一員であるからには話を聞くということが大事で、そういう立ち回りになるとどうしても間に挟まれがちになることが分かりました。

どこかで「はけ口」を求めないとやってられません。

その発散ができなかったから精神的に不安定になっていったのかなと今になって感じます。

では。

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