先週予告したとおり、令和9年分の扶養親族等申告書の提出対象となる方が拡大されることになりました。
日本年金機構のホームページに公開されている現在の情報をもとに内容を解説してみたいと思います。
扶養親族等申告書の提出対象者の範囲拡大
扶養親族等申告書は所得税が年金から天引きされる(源泉徴収される)一定金額以上の年金額のある方に提出をしていただくことになっていました。
扶養親族等申告書の役割については前回のブログでご説明をしています。
しかし、令和8年度税制改正により、
- これまで所得税が天引きされている方に加えて
- 年金受給者が個人住民税の各種控除を受けようとする場合も提出をいただく
ということになりました。
理由を考えてみると、給与を受け取っている方が記入する扶養控除等申告書との整合性を図ったためだと個人的には思っています。
扶養控除等申告書は、所得税のほか住民税に関する様式もかねています。
下部に16歳未満の扶養親族の状況を記入することで住民税の非課税限度額の計算ができることになるので源泉徴収票にも16歳未満かどうかの表示を行います。
現状の扶養親族等申告書でも16歳未満の扶養親族についての状況を記入する欄があるにもかかわらず、所得税が年金から天引きされる方のみ提出をしてもらっていました。
なので「矛盾を解消するため」と言えると思います。
【事務所お知らせ】所得税と住民税が課税される年金額とは?
そもそも所得税と住民税が天引きされる年金額はどうなっているのでしょうか。
まず、所得税が課税される年金額とは、
- 令和7年分は205万円以上
- 令和8年分は214万円以上
となっています。
これは次の計算式で求めることができます。
- 205万円=公的年金等控除110万円+基礎控除95万円
- 214万円=公的年金等控除110万円+基礎控除104万円
公的年金等控除とは、年金額から所得(もうけ)を計算するときに差し引くことができるものです。
基礎控除は本人ひとりひとりの所得に応じて差し引けるものです。
令和7年分までの扶養親族等申告書については所得税が課税される対象となる年金額205万円以上の方が提出対象者となっていたわけです。
次に、住民税が課税される年金額は、前年の年金額で判定されお住まいの市区町村によって異なります。
ただし、令和8年度(令和7年分年金)と令和9年度(令和8年分年金)で変わりません。
- 1級地:年金額155万円以上
- 2級地:年金額151.5万円以上
- 3級地:年金額148万円以上
級地区分についてはご自身で確認をいただきたいのですが、1級地は東京23区や大阪市などの大都市・2級地は県庁所在地・3級地はその他の市町村というイメージです。
公的年金等控除は110万円で変わらないのですが、基礎控除が級地区分により異なります。
所得税よりも住民税のほうが課税される基準が低い=年金額が少なくても課税されるということになりますので、扶養親族等申告書の提出者が拡大するというわけです。
提出対象範囲の拡大によりどうなるの?
では、所得税から住民税が課税される方へと提出者が拡大することによりどうなるのかです。
年金額148万円以上とは、3級地にお住まいの方が住民税が課税されるラインです。
提出対象者の範囲拡大のイメージ図についても日本年金機構ホームページに掲載されています。


ただ、この図を見ると混乱してしまうかもしれませんので補足しておきます。
令和8年分扶養親族等申告書を提出しているのは令和7年10月・令和9年分扶養親族等申告書を提出するのは令和8年10月です。
ポイントは、
- 扶養親族等申告書を提出いただく方の範囲が拡大する
- 令和8年10月に令和9年分の扶養親族等申告書が送付される
- ただし、給与をもらっているとか確定申告をするなどそもそも扶養親族等申告書を提出しなくてもいい人
→今回改正があったとしても取り扱いが異なるものではありません。提出対象者が拡大されたからといって確定申告する場合には提出しなくてもかまわない
まとめ
今日の内容をまとめます。

日本年金機構のホームページで公開されている内容も合わせて確認いただくといいかもしれません。
また発送直前になったら情報が更新されるかもしれませんのでその時はまたご案内したいと思います。
では。
