公的年金には、老齢・障害・遺族年金と大きく3種類ありますがこのうち老齢年金には税金がかかります。
では、1年でもらう年金からどのような税金を支払っているのでしょうか。
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所得税
まず、老齢年金には所得税がかかります。
税金の計算は、その年の1月1日から12月31日までの1年間で行います。
このとき、年金は偶数月の15日に2か月分後払いで支給されることになっています。
2か月分後払いとは具体的に、
- 前年12月分・1月分:2月15日
- 2月分・3月分:4月15日
- 4月分・5月分:6月15日
- 6月分・7月分:8月15日
- 8月分・9月分:10月15日
- 10月分・11月分:12月15日
となっています。
ここで税金の計算は年金支払日ベースです。
つまり、2月15日支払~12月15日支払が1年間でもらう年金となります。
発生日ベース(〇月分)でみると前年12月分~11月分ですね。
この1年間でもらう年金が、
- 65歳未満:108万円未満
- 65歳以降:158万円未満
の場合には、所得税はかかりません。
65歳かどうかはその年の12月31日の年齢で判断します。
65歳未満で108万円以上、65歳以降158万円以上の年金を受取っている場合、毎年「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書(以下、扶養親族等申告書)」が送付されてきます。
これを日本年金機構に提出することにより翌年2月支払いから各種控除(配偶者控除や障害者控除など)をしたうえで所得税を計算してきます。
- 扶養親族等申告書を提出する:各種控除後の額×5.105%
- 扶養親族等申告書を提出しない:基礎控除後の額×5.105%
ここで、扶養親族等申告書について。
扶養親族等申告書は年金をもらっている人に送付されてきます。
しかし、扶養親族等申告書を提出するのは、年金だけを受取っている人で配偶者控除や障害者控除を受ける場合です。
もし勤務先で給与を受取っていて年末調整がされている場合には、この扶養親族等申告書も一緒に提出してしまいますと二重で控除を受けることになってしまいます。
給与は年末調整で税金計算は終了しますが、年金ももらっていますと確定申告で計算をしていただかなければなりません。
そのため、二重で控除した分控除しすぎという状況になり確定申告で税金を納めるという可能性があります。
基本的に給与と年金両方をもらっている人の場合、扶養親族等申告書は提出しません。
住民税
4月1日現在、老齢年金を受取っている65歳以上の方に住民税がかかります。
住民税は特別徴収と言って、年金を受取る際に差し引かれてきますので自分で計算して納めるわけではありません。
計算は、所得割と均等割を合計したものが住民税です。
均等割は自治体により多少金額が異なります。
- 所得割:課税額(所得-各種控除)×10%
- 均等割:5,000円
住民税については、生活保護者や障害者のほか、前年の所得が一定金額以下の場合には所得割と均等割が非課税(税金がかからない)になります。
「前年の所得額が一定金額以下」とは以下のとおりです。
- 配偶者や扶養親族がいる場合:(35万円×本人・配偶者等の合計人数)+31万円
- 配偶者や扶養親族がいない場合:45万円
以下のブログで解説してあります。
まとめ
今回は、1年間の年金額から控除される税金について書いてみました。
このほか、年金額から控除されるものとして保険料がありますのでそれは次回書いてみたいと思います。
では。